「第7回 指定管理者制度について」 まとめ

 

今回は、名古屋市の指定管理者制度の実例について、(特)ボラみみより情報局の織田さんをゲストにお呼びして学習会を開催しました。

織田さんから、主に指定管理者制度とコンソーシアムの現場について、実際の体験談を交えて講義がありました。

また、これまでの官による運営と民なってからの運営による制度(財政や意思決定など)の相違などにつて生々しい(記録には残せないような)お話も聞くことができました。

(以下、織田さんの講義資料などから抜粋)

 

1.             なごやボランティア・NPOセンターの概要と指定管理者までの流れ

 

(なごやボランティア・NPOセンターの概要)

名古屋市の「なごやボランティア・NPOセンター」は、8月1日より指定管理者制度により民間委託されることになりました。委託を受けたのは、「(特)ボラみみより情報局」、「(特)ボランタリーネイバーズ」、「(特)名古屋NGOセンター」の3つのNPO法人による事業体「ぼらんぽセンター・コンソーシアム」です(詳細はhttp://www.boramimi.com/toku200408/参照)。

 

     専用部分(伏見ライフプラザ各施設専有面積 10,994.06uの3.10%)341.05u

     12階(会議室、集会室、フリースペース、閲覧コーナー、ワーキングルーム、事務スペース) 312.56u

     地下 3階倉庫 28.49u

     共用部分 352.33u

 

なごやボランティア・NPOセンターの業務内容−指定管理者募集要項より−)

@ 市民活動に関する情報の収集及び提供

  (各種情報の収集、整理、HPの維持更新、図書の貸し出し、団体情報登録、見学対応)

A 市民活動に関する相談

  (窓口、電話による市民活動の相談情報提供、運営の相談情報提供)

B 市民活動に関する講座等の実施

  (無料講座の実施年12回、講師の派遣、ネットワークの促進)

C 市民活動に関する広報等

  (市民活動啓発情報誌年12回、小規模交流会年4回、大規模イベント年1回)

D 施設の提供

  (会議室の受付、許可、料金の収納、ロッカー、付属設備の貸し出し、管理)

E 調査統計資料作成

  (センター利用統計、市民活動に関する統計)

F 施設の維持管理及び修繕

G その他必要な管理運営業務

 

(なごやボランティア・NPOセンターの必須事項)

開館時間 : 火〜土 9:00〜21:30 / 日・祝 9:00〜18:00

人  員 : 9:00〜18:30 3ポスト / 18:30〜21:30 2ポスト

    (年間必要総労働時間÷一人当たり年労働時間=必要人員数)

    (市民活動の経験もしくは、企業の社会貢献活動1年以上と同程度の知識、

      TOEICスコア730点以上もしくは同程度1名、HPの維持管理の能力1名、

     甲種防火管理者1名)

指定管理料: 平成16年2200万、平成17年〜19年 3100万 上限

      (支出:施設維持管理等850万、人件費等2200万、事業費等150万)

      (収入:指定管理料3100万、貸室備品利用料100万)

関係条例 : 名古屋市個人保護条例(名古屋市条例第28条条)

       名古屋市情報あんしん条例(名古屋市条例第41条)

 

(なごやボランティア・NPOセンターの指定管理者までの流れ)

     時期不明   「なごやボランティア情報コーナー」を中区役所内に開設

     時期不明   「なごやボランティア情報センター」を伏見ライフプラザ12階に設置

     平成14年4月 「なごやボランティア・NPOセンター」として再スタート

(市職員:4名,嘱託:5名)

     平成16年4月 なごやボランティア・NPOセンター条例公布

 (名古屋市条例第45号)

               なごやボランティア・ NPOセンター条例施行細則公布

        (名古屋市規則第70号)

              名古屋ボランティア・NPOセンター指定管理者募集要項

                説明会(10グループ参加)

     平成16年5月  企画コンペおよびヒアリング

(申請者)特定非営利活動法人国際ボランティア事業団

特定非営利活動法人市民フォーラム21・NPOセンター

ぼらんぽセンター・コンソーシアム

(選定委員会)名古屋市2名,学識者2名,その他1名

     平成16年6月  議会による議決

     平成16年7月  事務引継ぎ

     平成16年8月  名古屋市と協定書の取り交わし

     平成16年8月1日 公設民営による運営スタート

 

 

2.             「ボランタリーネイバーズ」「名古屋NGOセンター」「ボラみみより情報局」3団体の紹介

 

NPO法人名古屋NGOセンター)

88年から活動を開始。主に国際協力分野のNPOネットワークを組織し、現在43団体が加盟。外務省やJICA、名古屋国際センターとの協働実績もあり、スタッフやボランティアの人材育成を得意とする。

 

NPO法人ボラみみより情報局)

99年から活動を開始。無料ボランティア情報誌「ボラみみ」を作成し、名古屋市内約620ヶ所で1万部配布している。情報提供や広報、ボランティア・コーディネートを得意とする。

 

NPO法人ボランタリー・ネイバーズ)

92年から市民活動団体のサポートを手がけている中間支援組織。愛知県や市町村のNPO支援事業やWebサイト製作等の事業も多く受けており、NPO支援やまちづくりコーディネートを得意とする。

 

 

3.             コンソーシアムを組んだ経緯

       平成16年1月 「名古屋NGOセンター」が「ボラみみより情報局」へコンソーシア  ムの提案

                  「なごやボランティア・NPOセンター」へ見学(話を聞きに行く)

     平成16年2月  NPOの施設管理委託の概況状況調査(つながれっと名古屋)

                 1月〜3月(月2回の事務局会議)

     平成16年4月  ボランタリーネイバース合流

                 なごやボランティア・NPOセンター指定管理者募集説明会

                             「名古屋NGOセンター」が「ボランタリーネオバーズ」の作業の手 伝いに参加

                「名古屋NGOセンター」が「ボラみみより情報局」理事会へ参加

                「ボラみみより情報局」よが「名古屋NGOセンター」理事会へ参加

     平成16年5月  企画コンペおよびヒアリング

                    4月〜5月中旬(週1回の事務局会議)

                 指定管理者内定

                 指定管理業務準備(職員募集、各種書類作成など)

     平成16年7月   事務引継ぎ(2日〜1週間センター研修)

                 6月〜7月(週1回の事務局会議)

                 運営会議

     平成16年8月1日 公設民営による運営スタート

 

 

4.             コンソーシアムの長所(メリット)と短所(デメリット)

 

(長所・メリット)

     NPOの活動拠点・ネットワークの場の広がり

     ミッションと関連する施設を管理する場合は、活動を拡大するチャンス

     定められた管理業務をこなせば、独自事業を行うができ、追加収入の可能性

     社会的な信用

     施設運営を通じて、新たな顧客を開拓できる可能性

     行政の広報を利用することができる可能性

     資金余剰が出た場合には団体のものとすることができる場合もある

 

(短所・デメリット)

     本来事業の圧迫の可能性(当事者団体、周辺NPO)

     団体のミッションと施設のミッションのすみわけ

     既存の顧客を失う可能性

     人員の分散による組織力の低下

     ノウハウの流出

     サービスの低下(何もしない方が儲かる)

     有料化や手続きの増加など、利便性が低下する可能性

     行政機構の一部に組み込まれるため、行政の方向を向いて仕事をする可能性

     行政手続を実施するため、指定管理者に責任が直接かかってくる可能性

     行政の下請けNPOが増加の可能性

 

 

5.             その他、

 

(コンソーシアムで運営する上での問題点として)

意思決定のスピードの遅さ、意思決定プロセスの違い、権限の制限、作業工程の違い、得意分野の一緒、ミッションの違い、NPOに対する考え方の違いなどがある。

 

(施設の管理運営をしてみて−課題と展望−)

     指定管理者制度の理解が浅い(不明確)

     管理委託と指定管理者の違いは・・・許可権限

     ミッションが近いからできないことも・・・(事業など)

     団体の仕事とセンターの仕事のすみわけ(講師など)

     評価基準が不明確

     団体の独自事業をどれだけ行うことができるのか不明確

     行政からの監督をどの程度受けるのか不明確(民間への信頼)

     人員配置や書類の書式などが細かく条例や募集要項、協定書等に定められており、独自に工夫する余地が・・・

     様々な書類や管理手続きなど取り扱いが厳しく・・・

     行政からの業務の引継ぎ

     条例、規則の熟読が必須

     お互いダブルスタンダード

     話し合いによって変わりつつある

 

名古屋市における指定管理者制度の活用状況)

     平成18年9月1日までに公の施設は直営か指定管理者制度に。

     現在、管理委託を行っている公の施設は3年間の経過措置。

     新設の場合は直ちに指定管理者制度。

 

名古屋市で指定管理者が導入された施設)

     名古屋市児童館(16館) :名古屋市社会福祉協議会

     名古屋市福祉会館(16館) :名古屋市社会福祉協議会

     名古屋市老人いこいの家 :名古屋市社会福祉協議会

     笹島寮 :社会福祉法人芳龍福祉会

     コミュニティセンター(7館) :各学区連絡協議会

     旧川上貞奴邸 :アクティオ株式会社(&白壁アカデミア)

     なごやボランティア・NPOセンター :ぼらんぽセンター・コンソーシアム

 

名古屋市で今後、指定管理者を導入する予定の施設)

     コミュニティセンター(6館)

     名古屋市総合リハビリテーションセンター

     名古屋市熱田荘

     名古屋市高齢者就業支援センター

     名古屋市総合社会福祉会館

     屋外冷水プール

 

 

織田さんからの講義のあと、参加者からの3名から質疑応答を行いました。

 

 

配布資料1:なごやボランティア・NPOセンター指定管理者募集要項

配布資料2:なごやボランティアセンター・NPOセンター指定管理者選定委員会の概要

配布資料3:なごやボランティア・NPOセンター条例

配布資料4:なごやボランティア・NPOセンター条例施行細則

    

 

(織田 元樹(おだ もとき)さんのプロフィール)

特定非営利活動法人 ボラみみより情報局 代表 

なごやボランティア・NPOセンター 所長

1961年生まれ 元公務員 名古屋市西区在住

1999年7月「ボラみみより情報局」を設立。ボランティア情報誌「月刊ボラみみ」を1万部発行し名古屋を中心とした地域のスーパーや書店など620ヵ所で無料配布。HPの運営メールマガジンの発行、愛知県や名古屋市のボランティアやNPOの冊子を制作、ボランティアコーディネート研修、ボランティア1日体験講座の開催など、ボランティアやNPOに関わる事業を展開。2004年8月から「ボラみみより情報局」「名古屋NGOセンター」「ボランタリーネイバーズ」の中間支援組織3団体のコンソーシアムを組み、指定管理者制度により「なごやボランティア・NPOセンター」の運営も行う。

 

 

参加者数:20名+内部関係者7名(途中参加・退出含む)