市川市の「1%条例=納税者が選択する市民活動団体の支援に関する条例」 寺沢和博さん

 

この条例は納税の1%を支援できるということで、通称1%支援条例(1%支援制度)と呼ばれ、平成161220日に交付となりました。市川市では、納税者が約22万人で、その年間の納税額は約300億のため、今回の条例の納税の1%は3億となります。市川市には職業総団体が約270団体、NPO法人数は81の事務所があり、活動分野については福祉の推進、青少年の健全育成・社会教育の推進、文化・スポーツの推進をしている団体が多くを占めています。

市民が選ぶ市民活動団体の支援制度をつくった背景は、市川市では納税者の約8割が給与から源泉徴収されているため、自らの納税額や税の使われ方に対しての関心が低いという事です。もう一つには市民のニーズの多様化、地域の問題や課題の複雑化により行政サービス一辺倒では解決に限界があり、そういった地域社会を解決する新たな担い手として、ボランティアやNPO団体の活動への期待感が高まっており、それらの活動を活性化し、更に継続、拡大していく必要があります。

制度の目的は、一点目は納税者意識の高揚で、納税の1%で支援する団体を選ぶという仕組みの為、自分の納税額を確認したりする行為により行政への市民参加の実感や、納税意欲も持って頂くという事です。二点目は市民活動支援を促進しながら活性化していく事です。行政側が出来る市民活動の支援に財政支援がありますが、自治体の財源不足のため支援が難しい状況で、市民活動団体との共同促進によって地域課題を解決し、新たな公共サービスを提供拡大していく必要があります。現在、市民活動への市民の理解は図られていない状況で、NPOとは何か・市民活動とは何かを知ってもらうことも制度の一つの目的です。市民主体の地域づくりの推進により、市民が支える市民活動を行う必要があります。200210月のハンガリーの「パーセント法」のテレビ放映がきっかけとなり「パーセント法」を使った制度を市川市の中で作れないかということで、2004年当初に企画の検討を行い、同年4月に事業提案に対して支援金を交付する公募方の事業補助金である「ボランティア・NPO活動支援金」事業が開始となりました。この制度について8月に市民に対して団体のアンケートを実施し、12月の定例市議会で正式に条例を可決しました。これは22条からなる条例で、対象となる団体は、一点目は市内に事務所を有し市内で活動していること、二点目は会則、規約、定款等を有していること、三点目は支援金狙いで立ち上げる団体を排除するために申請時に一事業年度以上継続的に活動していること、四点目は法令、条例等に違反する活動をしていないこと、五点目は公の秩序又は善良の風俗を害する活動をしていないこと、六点目は宗教的活動又は政治的活動をしていないことです。対象となる事業は市内で実施し、地域・社会貢献に関わる分野であり、営利を目的としてないこと、市民を主たる対象としており、NPO法人の活動の仕組みで会員となって頂いている場合は例外として、構成員のみを対象としていないこと、市から別の補助金を受けていないことです。対象経費は、事業遂行の為に直接要する経費で、団体の維持運営などに要する経費は対象となりません。支援金額は、団体を選択した市民の個人市民税の1%に相当する額を合計した額ですが、事業経費の2分の1が上限となります。 

条例では「市川市市民活動団体支援制度審査会」が設置されており、委員は学識経験者、公募市民で構成され、任期は1年です。任務は3月に条例に基づいて、団体・事業の適格性審査を行い、6月には、申請した金額と市民が選んだ1%の相当額の差について団体は事業の拡大・縮小等の変更申請をすることができ、その変更申請時と団体の実績報告時も審査を行います。市民の団体の選択方法は、選択できるのは1団体で、団体の番号を記入して届出をします。届出にはいくつかの方法があり、郵送、インターネット、電話、窓口、その他としてひとりでも多くの市民に届出の活動に参加してもらう為に各種キャンペーンやイベント会場での窓口受付も増やしていこうと考えています。

条例では、「市川市市民活動団体支援基金」を設置しており、この基金に積み立てる額としては、一つ目にこの団体を選択した納税者の1%相当額の合計額が、団体事業に要する経費の額の2分の1を上回った場合、その受け皿として基金にいれるという仕組みです。二つ目に、基金に積み立てることを選択した納税者の1%相当額の合計、三つ目は支援金予算の不用額、四つ目は市民が基金への積み立てを指定した寄付金額です。  

今回の支援制度に申請したのは83団体で、3月に開かれた審査会の結果、83団体のうち81団体が審査会を通過して支援の対象として選定されました。形態別に見ると、約9割がNPO法人と任意団体で、中には社団法人が2つ、実行委員会形式で事業を実施する団体も3つありました。分野別で見ると、福祉・保健の増進と子供の健全育成、街づくりの推進、文化・スポーツの推進を図る団体がありました。83団体の申請事業費総額は67339千円、申請額は総額29455千円で、当初の予算計上額が3千万円だったので、丁度良い予算額に納まりました。私たちは、より良い街づくりに市民活動が重要な存在であるという強い認識があり、市民と一緒に地域づくりをする必要があるということで、行政が出来るありとあらゆるサポートを探っています。今後取り組んでいく中で市民と共に作り上げ、よりよい制度にしていこうと考えています。