福岡市の「NPO活動支援基金」について 道副智美さん
福岡市内のNPOの状況については、福岡市内を活動拠点とするNPO法人が262団体、福岡県内では645団体となっています。活動の規模は200万円前後の事業規模の法人が最も多く、スタッフも少人数の団体が多数です。
平成16年の3月議会で福岡市NPO活動支援基金条例が可決され、4月1日に「福岡市NPO活動支援基金」を創設しました。この基金は市民・事業者からの寄付金を活用してNPO法人が地域社会の発展の為に行う活動を対象に助成するというものです。この基金の創設の背景は、社会的なニーズを反映した制度ということもありますが、現在の福岡市長の公約の一つにNPOとのパートナーシップ事業の展開という事業があり、その中でNPOに対し市民自らが基金の創設を目指すという方針が示されていました。そこで、平成15年の秋頃から市ではNPOへの支援基金の創設について検討を始めました。この基金の目的は、行政と市民が一体となって基金作りに取り組み、NPO活動の支援を行うことで、NPO法人の経済的自立を促進し、活動成果を共有することで、寄付を通した社会参加・社会貢献意欲を高め、寄付文化の土壌を開拓し、市民自らが市民公益活動を推進するための環境づくりに寄与することを目指しています。基金は、市役所がまず1千万円を基本財産とし、そこに一般市民からの寄付を積み増していくという方法を取っています。基金の特徴は、一つ目に寄付者は特定のNPO法人や活動分野を希望して寄付が出来、その希望は助成を行う際の参考にされます。もう一つの特徴は、寄付した人は税の優遇処置があります。法人の場合は、法人税において法人の有する通常の損金算入限度額にかかわらず全額損金算入できます。個人の所得税においては、寄付金額から1万円を引いた額、地方税においては寄付金額から10万円を引いた額を所得控除とすることができます。寄付の手続きは、寄付申請書の提出、市から送付された納付書による寄付金振込み後、市から寄付金受領証明書が発行されるという流れです。寄付の実績は、制度創設の平成16年4月から9月までの間に6名から52万円の寄付が集まりました。今回は企業からの寄付はありませんでした。
団体登録の際の要件は、特定非営利活動法人であること、主たる事務所の所在地と特定非営利活動を行う地域が主として福岡市内であること、事業費総額のうち、特定非営利活動に係る事業費の割合が100分の50以上であることなどです。登録には1団体につき複数分野の登録が可能となっており、登録を済ませている23団体のうち、保健・医療・福祉の増進を図る活動が最も多く、次に社会教育の推進、街づくり・環境・子供の健全育成、学術・文化・芸術またはスポーツの振興、経済の活性化を実施する団体の登録が見られています。団体登録の手続は、まず登録を希望する団体は、活動団体登録申請書、活動団体登録簿、確認書などの必要な書類を揃えて市長に提出します。団体登録の要件に適合すると、市は活動団体として登録し、登録決定通知書により団体に通知します。登録したNPOが事業を起こす時は、補助金の交付申請を行います。補助金交付の対象事業は、NPO法に定める17分野の活動であること、市の他の補助金を受けていないこと、終了した事業・支出済みの活動費でないこと、市外で実施される事業でないこと、法人の運営費でないことです。補助金額の限度は、1事業あたり50万円を限度としていますが、寄付者からの支援先の希望があるときは200万円が限度となります。補助金交付までの流れは、集まった寄付52万円に福岡市全体で運用している基金の運用益の6万円を足した58万円の交付先を決定しました。市では補助総額を示し、各団体から事業の支援額を決めてもらい募集しました。
補助金交付申請団体の事業を審理して市長に意見を述べる機関として、「補助金交付審査会」が設置されました。審査会は委員6人で構成され、任期は2年で再任されることが出来ます。この審査会は公開で実施され、初めての審査会が昨年の11月に開催されました。審査項目のポイントとして福岡市は、必要性・専門性・現実性など8項目をあげており、限られた補助金の中でできるだけ幅広く補助が出来るように審査を行った結果、今回決定された交付先は、重度障害者の生活向上と地域市民との交流を図る事業、クリスマスイルミネーションを作ろうという事業などの4団体でした。
今後の予定は、3月末で事業の実績報告書を各団体から書面で提出してもらい、その後に公開の場で活動の報告会を実施することになっています。補助事業の成果が補助金交付決定の内容と各条件に適合するかということを確認し、問題が無ければ、補助金額の決定がなされます。第2回目以降の補助金の交付については、寄付の受付はこれまでどおり行い、半年ごとに補助金交付団体を募集して審査会にて交付先を決定していくという予定になっています。ただ、昨年の4月に始まったばかりの制度で、10月以降の寄付の集まりがよくなく、厳しい状況となっていますが、市民活動をサポートする為の制度として、改善策を模索しながらよりよい制度にしていこうと考えています。